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ヤマセ・リゾート

夏は、東からの冷たい風がやってきます。

太平洋でたっぷり水分を含んだ雲が、まるで外輪山から襲ってきたようです。

そんな日は、昼でも涼しい極上の避暑地です。

湖の東側にあるこの場所は、ヤマセの影響を受けやすく、

トンネルを挟んだ西隣の集落との間でも天気が異なることがしばしば。

日によっては日本海からの高気圧に覆われて、30近くなる日もありますよ。

早朝の魔法の雲海

雨が続き、カルデラの中が湿気に満たされ、風が穏やかで晴れる日。

そんな日の早朝は、雲海が望めそうです。

真っ白な霧に包まれた湖畔から外輪山を駆け上がり、雲を抜けて展望台へ。

そこにあるはずの青い湖は見えず、白い霧の湖面に二つの半島だけが横たわっています。

ですが、人々が働きはじめるころには雲は散り、エゾハルゼミがこだまする元の湖に。

まるで、魔法のランプの中に雲が吸い込まれてしまったようです。

桜と新緑と

カツラからブナ、ミズナラへと薄緑の芽吹きが進む頃、

山肌にはヤマザクラがひとつ、またひとつと見ることができます。

ヤマザクラにもいくつか種類があり、それぞれに花期が違うので、

およそひと月の間サクラを楽しめるのです。

一面のピンクの景色は街の公園に任せて、自然の箱庭らしい、

多種共存の森のありのままの姿を、最も感じられる季節かもしれません。

一瞬の春紅葉

十和田の森に春を感じるのは、水辺に多いカツラの芽吹きです。 
それまでモノクロだった落葉樹の森にひと際赤く見えるのが、カツラの花。 
誰しもが見たいと願う秋の紅葉と違い、知る人ぞ知る「春紅葉」です。 
ですが、春の陽気の中でどんどん芽吹きはじめるので、見られるのはほんの1週間程度。 
まだまだ朝晩は氷点下になることもありますが、わずかな色の変化に春を感じられる繊細さが、十和田にはありました。

雪解けの水

日中、気温が0を超える日が多くなり、積もった雪もだんだんかさが減ってきます。

溶けた雪は水となり、湖に流れ込み、天上の湖を潤します。

雪と氷の世界への名残りを惜しむ頃、森に目を向ければ、

マンサクの黄色いつぼみが春を呼んでいるようです。

野鳥が渡りの準備をはじめ、賑やかな声が聞こえるのもこの頃。

人間と同じく、旅立ちの季節なんですね。