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全てを隠す白い世界

十和田では大抵、11月に初雪が降ります。
ですが、春まで溶けない「根雪」になるのは12月に入ってから。
積雪が30センチを越えてくれば、雪と親しむツール・スノーシューの出番。
ほかにも、歩くスキーやそりも使えるように。
森の中を自由に散策できるので、夏よりも行動範囲が広がるのです。
実は、冬こそ楽しい十和田湖なんです。

落葉と名残り水

すっかり葉を落とした森は、なんだか見通しがよくなりました。

森の底に光が届き、大きくなりすぎたシダが光を集めています。

一枚一枚と落ちていく葉が森に積もり、目に見えない生き物に分解され、

次第に豊かな土となり、また森が潤っていきます。

つい先日までの饗宴が噓のように、誰も目をくれなくなっても、

自然はめぐり、時を重ねていくのです。

日々染まる紅葉

八甲田の山から順々に降りてくる紅葉は、

十和田の森では10月下旬に最盛期を迎えます。

黄色く色付くカツラやクロモジ、オレンジ色のブナやミズナラ、赤く色付くカエデの仲間。

鮮やかに染め上げられた外輪山が、空と湖にサンドイッチされています。

古くから人々の心を動かしてきた景色は、

木々が葉を落とす直前の最後の輝きです。

とろける水

少しずつ日の入りが短くなり、昼の気温も落ち着いてくるこの頃。

夕暮れ時の水辺に目を向けてみると、穏やかにたゆたう水面に、

時が止まったかのような静けさを感じられます。

頬をそよぐ少し冷たい風と、香りはじめるカツラにはっと我に返れば、

賑やかだった夏と、まもなくやってくる燃えるような紅葉の間にいる。

そんなひと時の静寂を、噛みしめたくなる季節です。

深い緑の中で

本州で最も遅い梅雨明けを終え、まさに「盛夏」。

落葉樹がここぞとばかりに葉を広げ、その一枚一枚が精一杯働いています。

厳しい冬を迎えるためには、いま頑張って蓄えなければいけないのです。

今年生まれた鳥たちは巣立ちの季節。飛ぶ練習を済ませ、今にでも飛び立ちたい。

親鳥は我が子が無事ひとりだちできるか、気をもんでいることでしょう。

夏にたくさん動き回りたくなるのは、人も木も鳥もおんなじですね。